【北欧と和の融合】ジャパンディが注目される理由と、“間”と“素材”でつくる温もりのある空間づくり

スタイルではなく、思想としてのジャパンディ

静けさが満ちる空間。
そこには、意図的に「置かない」選択があり、選び抜かれた素材が語る余白があります。

いま、世界のインテリアにおいて「ジャパンディ(Japandi)」が注目される理由は、
トレンドとしてのスタイルではなく、暮らしそのものへの哲学的まなざしにあります。

日本が育んできた「間(ま)」の美学と、北欧が大切にしてきた「ヒュッゲ(心地よさ)」の思想。
その交差点に立ち現れるのが、ジャパンディスタイルです。

本記事では、greenicheの視点から、この思想を深掘りしながら、空間づくりの実践へと落とし込みます。
キーワードは「間」と「素材」──それは、今をどう生きたいかという問いと、静かに響き合います。


1. なぜ「今」ジャパンディなのか?:時代の価値観との共鳴

ノイズ過多の時代に求められる「視覚的静寂」

スマートフォン、広告、ニュース
情報に囲まれた日常は、知らぬ間に私たちの感性を疲弊させています。

そんな時代だからこそ、「何も置かない空間」に、人は癒されます。
ジャパンディは、その静寂を家具や素材、配置の選び方によって空間に宿す手法です。

モノより意味を選ぶ時代へ

単なる高級品ではなく、なぜそれを置くのか、どう関係を育むのか。

選ぶ基準は、「美しいか」だけでなく、「居心地を育てられるか」。
ジャパンディは、暮らしを選ぶための美意識を育てるスタイルでもあるのです。


2. 思想の構造:和と北欧、2つの価値観の融合

日本の美学 北欧の哲学
間の美、引き算のデザイン 機能性とヒュッゲ
素材と季節の調和 自然との共生
見えないものに美を見出す感性 暮らしに寄り添うデザイン思考

 

共通しているのは、居場所は、使う人の心を映す器であるということ。

ジャパンディは、その思想を伝えるインテリアスタイルだと思います。


3. “という構成要素:空間の呼吸を設計する

「置く」のではなく「間を設ける」家具配置

日本建築に学ぶ「間(ま)」とは、モノとモノの関係性を際立たせる空間の緊張と緩和です。
それは空間全体に、時間のリズムと呼吸を与える。

ジャパンディにおいて「家具の配置」は、「生活動線の設計」であると同時に、
視覚的・心理的余白の演出でもあります。

例:

・ウォールシェルフフローティング収納で床面の面積を確保し、空間に浮遊感

・家具を中央に集めない:空間の対話性を重視し、窓際や角をあえて空けることで静けさをデザイン

 

4. “素材を活かす選び方:素材のを聴く

ジャパンディの本質は、ただ「ナチュラル素材を使う」ことではありません。
素材がもつ物語を、どう空間に翻訳するか。

木材:静けさと経年変化を愛する

無垢材家具は、節や色ムラといった個性をあえて活かす設計。
それは、空間が人とともに年を重ねることを受け入れるという提案でもあります。

・オーク:静かで柔らかな印象。明るさを空間に与える

・ウォルナット:重厚さと静寂を空間に宿す沈黙の主役

・ソープ仕上げやオイル仕上げ:時をかけて育てる触感と光沢


ファブリック:季節と心をつなぐ素材

椅子1脚に纏う張地もまた、空間の“語り手”です。

・リネン:通気性と陰影を楽しむ「夏の余白」

・ウール:触感の安心感と視覚的な温もり

 

5. 空間演出のコツ:実践的ジャパンディスタイリング5

視点   実践アイデア
照明設計 光源の高さ間接性を意識。LE KLINTのペンダントで柔らかな拡散光を
家具の余白 ダイニングは6人用を4人で使う。余白が贅沢に変わる
カラーパレット 無彩色+アースカラー(グレージュ、ベージュ等)で沈静効果
花器とアート 101 Copenhagenのオブジェや和陶器で陰影のある余白を演出
季節のしつらえ 同じ空間でもファブリックや花材で“移ろい”を楽しむ

 


6. まとめ|ジャパンディとは、居場所の哲学である

greenicheは、家具を「販売する」のではなく、「居場所を共につくる」ブランドです。
そしてジャパンディとは、まさにその居場所づくりに深く寄与する思想です。

  • 「何を置くか」ではなく「なぜ置くか」
  • 「見せるインテリア」ではなく「感じる空間」
  • 「完成された空間」ではなく「育てていく暮らし」

素材は、空間づくりにおける無言の言語です。
それに耳を澄ませるとき、あなたの空間は、ただの部屋ではなく、人生を映す“Life Place”へと変わるのです。

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