【ジャパンディ照明の選び方】空間を整える明かりとインテリアの調和術
公開日: 2025年12月01日 (更新日: 2025年12月03日)
和と北欧が出会う“ジャパンディ”スタイル。その美意識を照らすのは、やさしく、機能的で、空間に溶け込む光。空間を整え、自分らしい居場所をつくるための照明の選び方と活用術を、greenicheの視点で深く掘り下げてご紹介します。
ジャパンディスタイルと照明の関係
"ジャパンディ"とは、日本の"静"の美意識と、北欧の"機能美"が融合したインテリアスタイル。どちらも"余白"や"自然との調和"を大切にし、必要最小限のもので豊かさを表現します。
このスタイルにおいて、"照明"はただ空間を明るくするものではありません。時間の流れを意識させ、暮らしのリズムを整えるための装置であり、視覚的なアクセントであり、空間に“間”を生み出す彫刻的存在です。
照明の選び方を誤れば、ジャパンディの繊細なバランスはすぐに崩れてしまいます。だからこそ、素材・配置・光の質感などを丁寧に見極める必要があります。
【基本原則】ジャパンディ照明選び 5つの視点
1. 素材:自然素材に呼応するテクスチャー
ジャパンディ空間において、"素材感"は美しさと心地よさの核となる要素です。木材の温もり、和紙の透け感、陶器のマットな質感。それらが放つ静かな存在感は、光と結びつくことでより深く空間に溶け込みます。
例えば、オーク材のフロアスタンドは木目の立体感が照明によって際立ち、周囲の家具と自然な一体感を生みます。和紙を通した光は、視覚的な柔らかさだけでなく、空気の質さえ変えるような優しさを漂わせます。
"素材が光をまとったとき、空間に詩が生まれる"──それがジャパンディの照明哲学です。

2. 光:明るさではなく“質感”で選ぶ
明るさの数値(ルーメン)や光源の強さに頼るのではなく、光の拡散性や表情を見極めることが重要です。照明の明るさが均一すぎると、ジャパンディが持つ“間の美学”や“静けさ”が失われてしまいます。
柔らかくにじむような光。直視しても眩しくない構造。壁や天井に映り込む淡い影。
これらが組み合わさることで、空間全体が「包まれる」ような光環境が生まれます。
特に色温度2700~3000Kの電球は、木の家具や無垢材と調和しやすく、夕暮れのような落ち着きを演出します。
3. 配置:余白を活かすレイアウト
ジャパンディの空間では、「どこに照明を置かないか」という視点も大切です。光の“抜け”や“間”が空間に呼吸を与えるため、全体を明るくするのではなく、必要な場所にのみ光を差し込むことが重要です。
たとえば:
- 天井照明は極力抑え、壁面や床面に間接的に広がる光で構成。
- 部屋の四隅を意図的に暗く残し、中心の居場所にフォーカスを当てる。
- フロアランプを家具と家具の“間”に置くことで空間にリズムを生む。
照明は「配置のデザイン」そのもの。1灯でも、意味ある位置に置くことで空間の緊張感はほどけていきます。
4. 機能:暮らしに寄り添う明かり
ジャパンディ照明において、“機能”は見た目と同じくらい重要です。シンプルな外見でも、調光・コードレス・可動性など、暮らしに合わせて使い方を変えられる柔軟性は、日々の心地よさにつながります。
- 読書やPC作業に適したピンポイントの光
-
おやすみ前に灯す穏やかなナイトライト
これらをシーンごとに使い分けることで、「照明のある暮らし」から「光で整える暮らし」へと変わっていきます。
“心地よい暮らし”は、機能美から生まれる。

5. デザイン:静けさの中にある造形美
デザインにおいては、形状や装飾よりも“静けさのある佇まい”が大切です。
装飾的な要素を削ぎ落とし、陰影が美しく出る形状や、素材の持つ凛とした佇まいを際立たせる照明を選ぶこと。
曲線と直線のバランス、重量感と浮遊感、柔らかさと緊張感。これらの要素が同居するデザインは、ただ空間に“ある”のではなく、空間と“対話”する存在になります。
デザインとは、目立つことではなく、周囲と響き合うこと──それがジャパンディ照明の本質です。

greenicheおすすめ|ジャパンディ照明3選
1. Sahn Chandelier / 101 Copenhagen
― 静と動が交差する、アートのような彫刻的ペンダントライト
Sahn Chandelierは、ジャパンディ照明の本質を象徴する一灯です。
金属の質感を生かしたフレームと、繊細なシェード。
直線と曲線が交差する独特のレイアウトは、“余白の美しさ”を空間に描き出します。
■ ジャパンディと相性がよい理由
- 彫刻のような構造は、空間に静かな緊張感と奥行きを生む
- ブロンズのフレームは、和の素材(木・土・石)との相性が抜群
- 光が一点に集まらず、柔らかく分散する“にじむ光” がジャパンディの間を際立てる
- 天井照明でありながら“主張しすぎない”佇まいで、ミニマルな空間を壊さない
Sahnは「灯りそのものがアート」でありながら、
存在感が強くなりすぎず、空間の静けさをそっと支えてくれる稀有な照明です。

2. LE KLINT 1/30
― 和紙のような柔らかさを纏った、北欧の名作ペンダント
LE KLINTの1/30は、“日本と北欧の美意識が最も美しく重なる照明” といっても過言ではありません。
日本の折り紙からインスピレーションを受け、誕生したモデル1は、レ・クリントの原点となったモデルでもあります。
職人によるハンドクラフトのプリーツシェードは、
まるで和紙を折り重ねたような優しい表情を見せ、
ジャパンディが大切にする 「自然素材の質感」 と深く響き合います。
■ ジャパンディと相性がよい理由
- プリーツを透過する光が、夕暮れのように柔らかく部屋を包む
- 和紙照明のような陰影が生まれ、空間に静かな揺らぎをつくる
- シェードの立体感により、光が均一にならず“奥行き”が出る
- ミニマルな円形デザインは、北欧のモダンと日本の端正さの中間に位置するバランス
直視しても眩しくない優しい光は、ジャパンディの“静けさ”を保ちながら、
空間に自然な一体感と心地よさをもたらします。

3. Kilta Floor Lamp
― 木の手仕事が光をまとい、空間を整えるフロアライト
Kilta Floor Lampは、木の温かみと職人技が凝縮されたフロアランプ。
寄せ木を丁寧に削り出したベースは、一本の灯りが持つ“彫刻性”を際立たせる存在です。
■ Kiltaがジャパンディに適している理由
- 寄せ木のベースが、木目の陰影を美しく描き出す
- 無垢材を削り出した柔らかな曲線は、和の工芸にも通じる静かな佇まい
- シェードから漏れる光が壁に柔らかく反射し、“間接光”として空間を整える
- 配線を内部に収めたミニマルな設計は、ジャパンディの「引き算の美学」に合致
- 家具と家具の“間”に置くだけで空間のリズムが整う
Kiltaの光は、まるで静かに呼吸しているかのような温度。
夜の時間を穏やかに誘導し、居場所としての“LifePlace”をつくり出してくれます。

まとめ|照明で整える“間”と“暮らし”
照明は、ジャパンディにおける“余白”や“静けさ”をかたちにするもっとも繊細なツールです。ただの道具としてではなく、家具と同じく「居場所をつくるための要素」として捉えることで、暮らしはより深く、豊かに整っていきます。
greenicheでは、光の表情まで丁寧に考えた照明提案を通じて、あなたらしい“LifePlace”づくりをお手伝いしています。
空間に必要なのは、強い光ではなく、"心が休まる灯り"。
それはまさに、ジャパンディスタイルに宿る光の哲学です。
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