2025年12月、代官山のgreenicheにて、エッセイストの松浦弥太郎さんをお迎えし、トークイベントを開催しました。
テーマは、「価値あるもの ― 北欧家具と、暮らしの美意識」。家具や空間、日々使う“もの”たちと、私たちはどのように向き合っていけばいいのか。
そして、豊かさとは、どこから生まれるのか。静かな対話を通して浮かび上がってきたのは、
ものと暮らし、自分自身との関係性を見つめ直す時間でした。ここでは、トークイベントに参加できなかった方にも届くよう、
松浦さんの言葉と、そこから広がった気づきを振り返っていきます。

「価値がないものはない。どんなものにも価値はある」ものと“通じ合う”瞬間が、豊かさを教えてくれる

松浦さんが繰り返し語られていたのは、「ものと対話する時間」の大切さでした。ふとした瞬間に、「これは自分にとって大切な存在だ」と気づくことがある。それは言葉で説明できるものではなく、ものそのものが“暮らしとは? 豊かさとは?” と問いかけてくるような感覚。すべてのものを好きになる必要はない。10のうち、1つか2つ、心から通じ合える“親友のような存在”が見つかれば、それでいい。そうした時間を受け入れること自体が、すでに豊かさなのだと語られました。

無関心にならないこと。価値を見つけにいく姿勢そのものが、豊かさになる

「価値あるものを見つけることに向き合う姿勢そのものが、豊かさ」松浦さんはそう語ります。すべてが自分にしっくりくるわけではない。
相性が合わなかったとしても、それは失敗ではなく、
自分を知るための経験であり、学び。選ぶことで悩み、
迷い、ときには遠回りをする。そうした時間の積み重ねこそが、
効率だけでは測れない、人間らしい人生の輪郭をつくっていきます。ものとも、人とも、日々の出来事とも。
深く考えすぎず、けれど無関心にならず、
「誰とでも仲良くなれるかもしれない」という余白を残して向き合うこと。その姿勢が、暮らしの中に価値を見つけていくための大切な土壌になるのだと感じました。それは、greenicheが大切にしている「居場所を育てていく」という考え方とも重なります。

陰影のある空間が、自分を取り戻してくれる

松浦さんのご自宅の話題になると、キーワードとして挙がったのが 「余白」と「陰影」。

・少ないもので暮らす
・何もない空間を大切にする
・明るすぎない、自然な光を好む

蛍光灯に照らされた均一な明るさではなく、自然光が生む陰影に美しさを見出すこと。それは、日本人がもともと持っていた美意識でもあります。家具は大切にしているけれど、一番大事なのは「空間を壊さないこと」。欲しいから置く、ではなく、自分の空間にとって必要かどうかを見極める。この思想は、greenicheが大切にしている、家具を置くことそのものではなく、「自分らしさを取り戻し、心地よく過ごせる“居場所”をつくるために、必要なものを選び、整えていく」こととも、深く重なっています。

家具は、20年、30年かけて育てていくもの

家具選びについて、こんな印象的なお話がありました。「まずは一脚、”親友になれる椅子”を見つけることから始めたらいい」この「親友になれる存在を見つける」という言葉が、とても印象に残りました。

それは、家具を“揃える”ことではなく、暮らしの中で 自分と深く関係を結べる存在を見つけていくことの大切さを示しているように感じられます。社会人になり、一人暮らしを始め、自分にとって心地よい空間を探しながら、やがて家族が増え、その時々の暮らしに合わせて、少しずつ家具を迎えていく。一つひとつの家具には、どこで出会ったのか、なぜ惹かれたのか、どんな憧れがあったのかそんな物語が自然と宿っていきます。

greenicheのはじまりも、一つのアンティークテーブルとの出会いからでした。そのテーブルを起点に「自分らしい部屋をつくっていくこと」「時間をかけて暮らしを育てていくこと」その豊かさに気づいたことが、ブランドの原点になっています。急いで一度に揃えると、ものとの関係性は生まれにくい。時間をかけて集まった家具だからこそ、対話が生まれ、暮らしの深みと豊かさにつながっていく。

それは、greenicheが大切にしている「長く使える家具を通して、居場所を育てていく」という考え方にも通じます。

ハンス・J・ウェグナーの椅子と、時間が育てる関係性

自分らしさを取り戻す環境づくり。自分らしい場所をつくるということ

「自分を取り戻すための空間づくりで、大切にしていることは?」この問いに対して、松浦さんが挙げたのは“同等のものを選ぶ” という考え方でした。
・自分が大切にしている基準を一つ決める
・迷ったら、同等の価格・価値のものを選ぶ
・違和感のない“フィット感”を大切にする

そうして少しずつ、自分の「好きの基準」を育てていく。さらに、トークの終盤で語られた言葉が、とても印象的でした。「家や場所は、選んでいるようで、実は選ばれている」住みたいと思っても、選ばれなければ住めない。だからこそ、どんな場所でも工夫して、好きになって生きること。工夫のない暮らしは、つまらない。工夫すること自体が、人生を楽しむこと。ものも、場所も、仕事も、人間関係も。「君に選ばれたい」と思われるような自分でいたい。その姿勢こそが、ものとの、そして人生との向き合い方なのだと感じました。

おわりに|私たちが目指す“居場所づくり”

今回のトークイベントを通して、改めて感じたのは、家具は、暮らしを整えるための“答え”ではなく、問いを投げかけてくれる存在なのかもしれない ということ。ものと向き合い、悩み、迷い、時間をかけて関係性を育てていく。そのプロセスこそが、greenicheが大切にしている「居場所をつくる」という価値観 です。これからも私たちは、ゆっくりと味わう暮らしの豊かさを、家具、そして居場所とともにお伝えしていきます。ご参加いただいた皆さま、そしてこのレポートを読んでくださった皆さまにとって、“ものと向き合う時間”を見つめ直すきっかけになれば幸いです。

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