ジャパンディとは何か？特徴・魅力・取り入れ方を徹底ガイド

はじめに｜なぜ今「ジャパンディ」が響くのか

北欧のミニマリズムと、日本のわびさび。その2つが出会い、調和したスタイルが「ジャパンディ（Japandi）」です。

空間に余白をつくり、素材に語らせ、暮らす人の感性が自然と浮かび上がるようなこのスタイルは、単なる“おしゃれ”を超えて、心地よさを育む居場所づくりの指針とも言えるでしょう。

情報やモノにあふれた今、静けさや質感、暮らしそのものの在り方が見直される中で、ジャパンディが求められている理由を、グリニッチならではの視点で掘り下げていきます。

1. ジャパンディとは？定義と背景

ジャパンディとは、「Japan（日本）」と「Scandi（スカンジナビア）」を組み合わせた造語で、北欧と和のインテリアスタイルが融合したデザイン潮流を指します。

・日本の特徴：わびさび、余白、機能美、自然素材、陰影、静けさ ・北欧の特徴：ヒュッゲ、光の設計、暮らしに寄り添う家具、木の温もり、ミニマリズム

この2つの美意識には「本当に大切なものを選び、丁寧に暮らす」という共通点があります。ジャパンディは、その“共鳴”から生まれる空間。モノが少ないのではなく、“想いがこもっているもの”だけがある。その潔さと温かさが、私たちに深い心地よさを与えてくれます。

2. ジャパンディの特徴｜6＋αの視点から見るスタイルの本質

① 自然素材を活かす

無垢の木、和紙、竹、リネン、陶器など、自然の風合いを活かした素材が主役に。経年変化すら美しさと捉える価値観が、素材選びの基準となります。

② アースカラーのカラーパレット

空間はベージュやグレージュ、墨色、スモーキーグリーンなど、落ち着いた色調で構成されます。そこに黒や焦げ茶といった締め色をほんのり効かせることで、静けさの中にも芯のある印象に。

③ 余白と間

「置かない」という選択が空間に呼吸をもたらします。棚や床面、壁の一部に意図的な“空白”を残すことで、光や時間、気配のような目に見えない要素が際立ちます。

④ ロー＆ワイドな家具

視線が低くなる家具を選ぶことで、空間に広がりと落ち着きが生まれます。北欧にも日本にも共通するこの高さ感が、床との一体感を生み、くつろぎを引き立てます。

⑤ 陰影を楽しむ照明

ジャパンディにおいて光は単なる照明ではなく、空間を構成する“素材”のひとつ。間接照明や和紙シェードがつくる柔らかな陰影は、時間とともに変化し、空気感を豊かにします。

⑥ 機能美と整う暮らし

装飾性よりも、暮らしやすさ・使いやすさが前提。そのうえで美しい。そんな機能美が、ジャパンディの家具には宿っています。

＋α｜四季と時間の流れを感じる工夫

春夏秋冬の移ろい、木漏れ日や朝夕の光——日々の中にある些細な変化を受け止める“感性”も、ジャパンディスタイルの大切な要素です。

3. ジャパンディが注目される理由｜今の時代に必要なインテリアスタイル

・刺激の多い社会から「静けさ」へ

SNSやデジタル機器がもたらす情報過多な日常。だからこそ、視覚的にも聴覚的にも静かな空間が、人に安心を与えるようになりました。ジャパンディは、その“静寂”を美と機能で表現するスタイルです。

・サステナブルな価値観との親和性

素材は自然に還るものを。家具は長く使えるものを。手入れをしながら時間とともに育てていく。こうした考え方は、ジャパンディの思想そのものです。

自分らしさを映す余白のある空間

ジャパンディには「こうしなければならない」という正解はありません。余白があるからこそ、住まい手の“好き”や“価値観”がにじみ出る。だからこそ、どんな人にも自然に馴染むスタイルです。

4. ジャパンディの取り入れ方｜5つのアイデアで暮らしに実装

① 無垢材の家具を迎える

テーブルやシェルフなど、まずは一点でも「本物の素材感」を持つ家具を。オークやウォルナットの木目が、空間全体を穏やかに整えてくれます。

② 間接照明で陰影を設計する

直線的な照明をやめ、複数の光源を組み合わせて、陰影のある空間に。たとえば、壁際に置くフロアライトや、柔らかな光を放つペンダント照明など。

③ リネンや和紙のテキスタイルを取り入れる

カーテンやクッションカバーを自然素材に変えるだけでも、肌触りと視覚の印象がやさしくなります。光の透け感や風合いが、暮らしに“呼吸”をもたらします。

④ 「飾る」と「隠す」の収納を意識する

すべてを見せる必要はなく、隠すことも美しさ。見せたいものは棚へ、生活感のあるものは引き戸の中へ。そんなバランス感覚が、空間に調和をもたらします。

⑤ 北欧と和のアイテムを一緒に置く

和の陶器と北欧のフラワーベース。和紙の照明とスカンジナビアのソファ。意図的に異なる美意識を同居させることで、ジャパンディならではの深みが生まれます。

まとめ｜“居場所”を育てるスタイルとしてのジャパンディ

ジャパンディは、単なるインテリアのトレンドではありません。 それは「何を大切にしたいか」「どんな空間に身を置きたいか」という、“暮らしの哲学”を映す鏡です。

グリニッチが目指しているのは、家具を通じた「居場所づくり」。 静かで、あたたかく、自分らしくいられる空間。 そこには、ジャパンディの考え方が深く息づいています。

まずは、小さなアイテムからでも構いません。 自分にとって心地よいと感じられる素材や空間を、一つずつ選び取っていく。 その先に、あなただけのジャパンディスタイルが育っていきます。