• 家具選びのポイント

モダンインテリアでつくる、心地良い空間。ポイントを実例とともに紹介

インテリアテイストの中でも、その洗練された印象から、「ハードルが高い」「難しい」と思われがちなモダンインテリア。でもその特徴は「シンプルで機能的」と、実はとてもわかりやすく、取り入れやすいテイストといえます。今回はモダンインテリアをテーマに、その生まれた背景や魅力、空間をモダンな印象にするポイントをまとめてお伝えします。

モダンインテリアとは?

モダン=「現代的」「最新鋭の」を意味しますが、個性的で突飛なデザインというよりもむしろ、「シンプルで機能的」なインテリアのことをモダンインテリアと呼びます。

「モダンデザイン」とは19世紀後期に始まったインテリアスタイルのことで、1870年〜1910年のアーツ&クラフト運動(イギリス)、1910年〜1930年のアール・デコ(フランス)、1919年〜1933年のバウハウス(ドイツ)などが代表的なものとして挙げられます。発祥した国はそれぞれ違いますが、いずれの流れにも共通しているのが「無駄な装飾を排除し、簡素で合理的なデザイン」という点です。それまではきらびやかな装飾をほどこした家具が一般的でしたが、従来の家具に新しい解釈を加え、「シンプルで機能的」という特徴を持ったインテリアが様々な国で誕生し、それらを総称して「モダンデザイン」「モダンインテリア」と呼んでいます。

デンマークでは、建築家でもあり家具デザイナーでもあったコーア・クリントが先導し、ドイツのバウハウスの流れを独自に進化させ、今私たちが目にする北欧家具の特徴を築き上げました(コーア・クリントは「デンマークモダン家具の父」と呼ばれています。詳しくはこちらの記事にまとめています)。北欧家具が「シンプルで機能的」という特徴を持つのもそのためで、その歴史的背景から見ても、北欧家具はモダンインテリアのひとつと捉えることができます。

モダンインテリアの魅力

「シンプルで機能的」という特徴から、モダンインテリアには以下の3つの魅力があります。

飽きずに長く使える

流行にとらわれないシンプルなデザインのモダンインテリアは、飽きずに長く使い続けることができます。北欧の人々は、家具を前の世代から受け継いで使うことが一般的ですが、それもタイムレスなデザインだからこその特徴といえます。また、ひとつのものを長く使い続けることは、環境に優しいサステナブルな家具の選び方といえます。

空間が整う

デザイン重視ではなく、機能性もきちんと伴うモダンインテリアは、「空間を整える」という魅力もあります。モダンインテリアとして紹介される空間は、良い意味で生活感のない、非日常感の印象のものが多いですが、空間が整い洗練された印象になるためと考えられます。

心地良い空間になる

見た目だけでなく機能性も考慮したモダンインテリアは、使い心地が良いのも特徴です。座り心地が良い椅子、収納しやすいキャビネットなど、使い勝手が良いものが揃うことで、過ごしやすく心地良い空間が広がります。モダンインテリアと聞くと「都会的で冷たい」という印象を持たれることもありますが、その生まれた背景から考えると、むしろ心地良い空間を作るのにぴったりなインテリアといえます。

モダンな部屋づくり・インテリアのポイント

シンプルで機能的なデザイン

モダンインテリアの特徴でもある、シンプルで機能的なデザインを選ぶことが基本です。使い心地よりもデザインを重視したもの、過度な装飾があるものなどは、モダンな空間づくりではあまりおすすめできません。前述の通り、北欧家具はモダンデザインの流れを汲んでいるので、北欧生まれのアイテムを選ぶこともひとつの方法です。機能性がきちんと伴ったモダンインテリアは、「どのように過ごしたいか」を基本にする、北欧式の家具選びにも通じるインテリアといえます(北欧式の家具選びについてはこちらの記事で詳しく紹介しています)。

カラー

黒や白、グレーなどのモノトーンカラーを基本とします。落ち着いたモントーンカラーは居心地の良い空間づくりにもつながり、飽きずに長く使えるというモダンインテリアの魅力とも共通します。モノトーンインテリアの中でも、より機能的でシンプルなものを選ぶことで、モダンな印象の空間に仕上がります。

素材選び

シンプルかつモノトーンカラーが特徴のモダンインテリアは、素材のテクスチャーがより際立つため、素材選びも重要です。ソファやチェアの生地には天然素材など、触り心地が良く、耐久性の高い機能的なものを選ぶようにします。北欧家具は木の素材がメインに使われますが、レザーやガラス、大理石を使ったインテリアを取り入れることでも、モダンな印象の空間に仕上がります。耐久性やお手入れ性の高い金属も、モダンインテリアで使われることの多い素材です。

モダンな部屋づくり・インテリアにおすすめのブランド

String

北欧・スウェーデン発の壁掛け収納「String(ストリング)」は、フレームとシェルフのシンプルなデザインと、パーツを自由自在に組み合わせられる機能性で、「シンプルで機能的」が特徴のモダンな空間にぴったりなアイテムです。フレームのデザインも華奢で洗練されていたり、モノトーンカラーが揃うなど、Stringを一角に取り入れるだけでモダンな空間に仕上がります。持ち物に合わせて収納スペースを作れるので、「空間を整える」というモダンインテリアの魅力を、より実感できるアイテムといえます。

101COPENHAGEN

北欧・デンマーク発のインテリアデザインブランド「101COPENHAGEN(ワンオーワンコペンハーゲン)」。洗練されたデザインとモノトーンカラーが特徴で、モダンな空間づくりにおすすめのブランドです。特に照明は、ガラスや真鍮、大理石など、デザインだけでなく素材選びにもこだわりを感じるアイテムが揃います。フラワーベースやデスクランプといった、気軽に取り入れやすいアイテムもあり、インテリア初心者の方にもおすすめのブランドです。

【スタイル別】モダンな部屋づくり・インテリア実例

北欧×モダン

北欧ブランド「String」を使ったキッチンシーン。シェルフに木の素材を使うことで、洗練された印象の中にも木の温もりを感じる、北欧のエッセンスを加えたモダンな空間に仕上がりました。扉のない収納は、雑多な印象になってしまうことも。収納するアイテムをモノトーンにしたり、余白を意識して配置することことで、モダンな印象にすることができます。見せる収納は、整理整頓が自然と身につくのも魅力です。モダンな収納棚で、空間を整える良い習慣が暮らしに根付きます。

ナチュラル×モダン

無垢家具でコーディネートしたリビングシーン。木の温もりを感じる無垢材と、その素材感が映えるシンプルなデザインで、ナチュラルかつモダンな印象を作ることができます。ソファのファブリックやテーブルの天板などの面積の大きい部分には、明るく目立つ色ではなく、ベージュや深いブラウンなど落ち着いたカラーをセレクト。ナチュラルインテリアの温かみと、モダンインテリアの落ち着いた印象の、二つの特徴を組み合わせた空間に仕上がりました。木の素材だけでなく、テーブルのガラスや照明の大理石、フラワーベースのセラミックなど、質感の良い様々な素材を組み合わせることで、空間全体にモダンな要素をちりばめています。

ラグジュアリー×モダン

ボリューム感あるソファやシャンデリアで、ラグジュアリー感のあるリビングシーン。一つ一つが洗練されたシンプルなデザインを選ぶことで、ラグジュアリーさの中にシンプルさも感じる、モダンな空間に仕上がりました。ガラスや金属など異素材を組み合わせることで、全体的にメリハリのあるすっきりとした印象に。カラーはモノトーンで統一することで、ホテルのような非日常感もありつつ、落ち着いた居心地の良さも感じられます。きらびやかすぎず、シンプルすぎず、ラグジュアリーとモダンの二つの要素を組み合わせた空間になりました。

【部屋別】モダンな部屋づくり・インテリア実例

リビングルーム

 Stringで壁を彩ったリビングルーム。シェルフやキャビネットは直線のラインを意識して配置することで、モダンな印象の空間になりました。リビングルームはゆったりと落ち着く空間が求められるため、シェルフやキャビネットは温もりを感じる木の素材をセレクトしています。モノトーンの華奢なフレームが空間を引き締め、すっきりと洗練された印象に。面積を大きく占める部分に木のナチュラルなカラーを使う一方、小物やアート、イージーチェアなど他のアイテムはモノトーンで統一することで、温もりの中にモダンを感じる空間に仕上がりました。

ダイニングルーム

テーブル、チェアをモノトーンでまとめたダイニングシーン。脚のディテールがすっきりしたデザインのものを選ぶことで、ダイニング全体がモダンな印象になりました。モノトーンカラーの照明は、金属のシェードで素材感を味わえるものをセレクト。灯りがついていない時でも、それだけで絵になるデザイン性のあるアイテムで、シンプルな空間の中にほど良い遊びを加えます。テーブルの上のフラワーベースや隅に置いたスツールなど、アクセントになるアイテムもシンプルで洗練されたデザインのものを選ぶようにします。そうすることで、ものがあっても雑然とせず、よりモダンな印象をつくることができます。

キッチン

モノトーンカラーでまとめたキッチン。家の中でも特に機能性が求められるキッチンは、モダンインテリアと相性の良いシーンのひとつです。モノトーンカラーは落ち着いた印象を与えるだけでなく、調理中の汚れなどが目立ちにくいのも魅力のひとつ。キッチンカウンターにはものをあまり置かずシンプルにすることで、作業効率が良くなり、見た目にはモダンな印象に。ベースはブラックやグレーなど落ち着いたカラーに統一し、小物を使って差し色のホワイトを取り入れると、メリハリのあるモダンなキッチンに仕上がります。

ベッドルーム

やわらかいベージュのカラーでまとめたベッドルーム。身体を休めるベッドルームには、白や黒などのモノトーンよりも、目に優しいベージュがおすすめです。ベッドは脚付きのものを選んだり、ベッドサイドの棚を壁付にすることで、足元の空間がすっきりとした印象に。落ち着いたカラーで統一し、空間を整えるアイテムをセレクトすることで、モダンな印象のベッドルームに仕上がりました。

おわりに

モダンインテリアでつくる空間、いかがでしたか?モダンインテリアと聞くと、「非日常感」「冷たい」などの印象をもたれることもありますが、実はその歴史や特徴を紐解くと、空間を心地良く過ごすためのものであり、私たちがおすすめする北欧家具にもつながるインテリアスタイルといえます。モダンな空間にするいくつかのポイントをおさえて、ご自身にとって心地良いと感じる居場所づくりに、この記事をお役立ていただければ幸いです。

広報 岡田

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