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北欧に学ぶ、「照明」を使った空間づくり
北欧の人たちは、光に対して敏感な感覚を持っていると言われています。冬の時期は夜が長く、雨や雪が多いということもあり、長時間室内にこもるということも要因の一つ。光がいかに人間に大切なものであるかを、北欧の人々は身をもって理解しているのです。
厳しい自然と共存の中で育まれた、人々の照明への想い。
照明を使った心地良い空間づくりを、北欧の暮らしから学びます。
北欧照明の特徴
電気がまだ無かった時代、光を得るのに用いられたのがロウソクです。デンマークのロウソク消費量は今でも高く、暮らしに欠かせない存在となっています。ロウソクを灯したときにみられる、揺れ動く「灯火」。明るく周囲を照らすということよりも、人間の気持ちの深いところを揺さぶる効果があると考えられています。また、お客さんを招くときのウェルカムライトになり、デンマーク本来のホスピテリティの表れともいえます。
「灯火」を大切にするデンマークで生まれた照明は、それ自体が目立つようなものではなく、「光をデザインする」ことに主眼が置かれているのが特徴です。インテリアの一部として、またインテリアを引き立てるものとして、照明がデザインされてきました。
また照明は室内の印象に大きな影響を与えるため、明かりが点いている時も、消えている時も、そのフォルムに美しさを求めます。家具やインテリア小物と同じく、照明にも機能性と美意識が混在していることも、北欧照明の特徴の一つです。
北欧の人々の照明使い
北欧の人々にとっての照明は、「明るく照らす道具」という役割に留まりません。空間をより美しく演出し、心に落ち着きや癒しを与えるなど、照明は豊かな暮らしに欠かせないアイテムの一つです。
北欧でよく見られる照明使いに、食卓の卓上60cmほどの位置にペンダントライトを吊るす、というものがあります。低い位置に吊るすことで、ダイニングテーブル全体をしっかりと照らしながら、テーブルの周りに光のベールが生まれます。ダイニングルームの中にもうひとつの「部屋」が作られる感覚で、そこに集う人々の"一体感"も演出します。
食卓は家族や友人とともに語らう、コミュニケーションの場所。そこで過ごす時間がより豊かになるように、北欧の人々は照明を効果的に取り入れているのです。
また、空間にメリハリをつけるためにも照明が用いられます。照明でインテリアに陰影を作ることで、空間の一部を強調することができます。暗い中でものが見えるようにするだけでなく、自分が好きなアイテムや見てほしいものに目を誘導して、目立たせることもできるのです。絵や本棚に飾った美しい雑貨、家具。照明を使ってスポットライトのように強調することで、ふと目に入ると気持ちが明るくなるような、自分好みのゾーンお部屋の中に作ることができます。
"ヒュッゲな空間"のための照明アイディア
デンマークに住む方々へ暮らしについて伺うと、心地良い部屋づくりにおいて照明が大きな役割を担っていることがわかります。
コペンハーゲンにある保育園・幼稚園の園長さんとして働くチナさんにとって、灯りは「ヒュッゲな空間を作る一部」。スポットライトのような光の場所が特定される照明は一切使わず、小さいランプをたくさん使って、心地良い空間を作り上げていくのが楽しいのだそう。
ランドスケープアーキテクトを志すリーヌさんにとっても、お部屋のこだわりは「照明」。ダイニングテーブルの上には広く光が当たる機能的な照明、雰囲気を重視するエリアでは柔らかな光を放つ小さなランプをたくさん置く...など、リラックスできる照明と機能的な照明をお部屋やゾーンによって使い分けることで、居心地の良いヒュッゲな空間を作れるのだそうです。
日本では「明るく照らす」ことが重視されてきた照明。北欧では「居心地の良い空間作り」のために、照明が効果的に使われています。心が落ち着いたり、家族との時間をゆったり過ごせたり、自分らしくいられる居場所を作れたり...ご自身にとってのLifePlaceづくりに、暖かく灯る照明を取り入れてみませんか?
広報 岡田
<インタビュー記事はこちら>
Life Place 北欧デンマーク編 Episode 2「リーヌ・スタンプ・ダールさんのLife Place、訪ねました」
Life Place 北欧デンマーク編 Episode 3「チナ・ヘンセンさんのLife Place、訪ねました」