「ヒュッゲ」と「和」の融合 「ジャパンディな空間を作る方法」

デンマークには「ヒュッゲ(Hygge)」という言葉があります。

これは、家族や友人と過ごす温かな食卓、キャンドルのやさしい灯り、肌寒い日に毛布に包まる時間など、「心がほっと安らぐ瞬間」を大切にする北欧の暮らしの哲学です。

そのため、北欧インテリアはシンプルで機能的ながら自然素材を活かした木製家具の温かみが特徴で、リネン・ウールなどの柔らかなファブリックが用いられ、多灯照明で落ち着いた空間を作り出します。

一方、日本には「和」の美意識があります。

障子越しの柔らかな光が生む陰影、畳の上での静かなひとときなど、穏やかで心落ち着く空間を作り出します。素材の質感や空間の余白を活かした洗練されたデザインの和空間は、視覚的な美しさだけでなく、心を穏やかにしてくれ、居心地の良さを生み出します。


そんな北欧と日本のエッセンスを融合させたインテリアスタイルが 「ジャパンディ(Japandi)」 です。

これは Japan(日本)+Scandi(スカンディナビアン:北欧) を掛け合わせた言葉で、

どちらも、自然素材を活かし、余白を大切にし、「温かみのある北欧のデザイン」と「シンプルで洗練された日本のデザイン」の2つが調和し、落ち着きと温もりを感じながらも、シンプルで洗練された暮らしを叶えてくれます。


では、ジャパンディのエッセンスを取り入れ、北欧の「ヒュッゲ」と日本の「和」の魅力を最大限に活かした空間を作るには、どのようなポイントを意識すればよいのでしょうか?


1. シンプルな空間に、余白を活かす

北欧と日本のインテリアに共通するのは、「余白の美しさ」を活かすこと。

デンマークの住まいでは、家具やインテリアが最小限に抑えられ、木のぬくもりや心地よい布地のファブリックなど、自然の素材を活かしたシンプルで空間が特徴です。

これは、日本の「和」の空間にも共通する考え方で、昔の日本家屋では、畳の部屋に必要最低限のものしか置かず、空間の余白そのものを楽しむ工夫がされてきました。

  • 無垢材のダイニングテーブルに、日本の竹や和紙を使った小物を組み合わせる
  • 家具の高さを抑え、視線を広く取ることで、開放感を演出する
  • 視界に「余白」を生み出し、シンプルながらも落ち着いた雰囲気をつくる

ジャパンディスタイルでは、「何を置くか」よりも「何を置かないか」が大切。

空間を詰め込みすぎず、洗練されたミニマルな美しさを意識しましょう。


2. 照明が生み出す、心落ち着く時間

北欧では、日照時間が短い冬を快適に過ごすため、照明が重要な要素になります。間接照明やキャンドルを活用し、温かみのある灯りを取り入れることで、心地よいリラックス空間を作ることができます。

これは、日本の障子や行灯(あんどん)と似た考え方で、障子を通した光は、直接的ではなくやわらかく広がり、心を落ち着かせてくれます。

  • リビングの隅に北欧デザインのフロアランプを置き、やさしい光を足す
  • 和紙のシェードを使ったスタンドライトを寝室に取り入れ、穏やかな光で夜を演出する
  • 照明の色温度を暖色系(2700K~3000K)に調整し、空間全体を包み込むような優しい光を作る

照明は、ジャパンディ空間の「心地よさ」を決定づける重要な要素。

暖かく柔らかな光を取り入れ、リラックスできる環境を作りましょう。


3. 自然素材を取り入れて、温もりと心地よさをプラス

北欧のインテリアと和の空間づくりには、共通する大切な要素があります。それは、自然の温もりを活かすことです。デンマークでは、オーク材やウォールナット材の家具が多く使われますが、これは日本の木造建築や無垢材の家具ともよく馴染みます。

ジャパンディスタイルでも、自然素材の使用が欠かせません。

木のぬくもりを感じる家具や小物を選ぶことで、自然と心が穏やかになり、よりリラックスできる空間をつくることができます。例えば、

  • 木製の北欧デザインのチェアと、日本の漆器の器を組み合わせてみる
  • リネン素材の北欧カーテンに、和の麻のれんを合わせる
  • 観葉植物や盆栽を取り入れ、自然の空気を感じられる空間にする

自然素材の温かみが加わることで、視覚的にも触覚的にも心地よいジャパンディ空間が完成します。



まとめ

家は「ただ住むための場所」ではなく、「自分らしくいられる場所」

ジャパンディは単なるインテリアデザインだけでなく、「暮らし方」の哲学でもあります。

ジャパンディスタイルの空間は、ただ洗練されているだけでなく、心が落ち着き、ストレスから解放される場所を生み出します。

大きな模様替えをしなくても、ほんの少し手を加えるだけで、雰囲気は大きく変わります。

まずは小さなことから始めてみませんか?

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