「買う」ではなく「育てる」—— 北欧に学ぶ 一生愛せる「サステナブルな家具選び」
お気に入りの家具に囲まれた空間は、日々の暮らしを豊かにしてくれます。しかし、流行に左右されて選んだ家具が思ったより早く劣化したり、ライフスタイルが変わることで手放すことになったりした経験はありませんか?
北欧諸国の人々は、家具を「消費するもの」ではなく「長い時間をかけて育てるもの」として捉えます。厳選して選び、修理しながら使い続ける―― それが、北欧のサステナブルな家具選びの根幹です。
今回は、北欧の暮らしに根付く「一生愛せる家具の選び方と育て方」について詳しくご紹介します。これからの家具選びの参考にしてみてください。
サステナブルな家具とは?
「サステナブルな家具」とは、環境に優しい素材を使った家具はもちろんですが、それ以上に、「長く使い続けられ、世代を超えて受け継がれる家具」のことを指します。
- 耐久性があり、年月とともに美しさが増すこと
- シンプルで普遍的なデザインで、飽きがこないこと
- 修理やメンテナンスができ、使い続けられること
- 作り手の技術や素材の質が信頼できること
例えば、デンマークでは祖父母の代から受け継がれる家具が多くあります。無垢材のテーブル、座面を張り替えたチェア、表面を磨き直したキャビネット――どれも家族の歴史とともに長く愛され続けています。
「良いものを選び、時間をかけて育てていくことが、結果として環境にも優しい」
北欧諸国では、この考え方が当たり前のように根付いていると感じます。
長く愛用できる家具を選ぶ3つのポイント
1. 流行に左右されないタイムレスなデザインを選ぶ
トレンドに合わせたデザインの家具は、一時的には魅力的に映りますが、数年後には飽きてしまうことも。北欧の名作家具が何十年も愛され続けているのは、シンプルで普遍的なデザインだからです。
たとえば、デンマークの名作「Yチェア」は、70年以上にわたって世界中の人々に愛されています。その理由は、
- どんな空間にも馴染む、無駄のないデザイン
- シンプルながらも温かみを感じる造形
- 時代やトレンドに左右されず、長く愛用できること
長く使える家具を選ぶには、「今の気分」ではなく「10年後、20年後も好きでいられるか?」を考えることが大切です。
2. 経年変化を楽しめる素材を選ぶ
北欧の人々は、「古くなったら捨てる」のではなく、「使い込むほどに味わいが増す」家具を選びます。
- 無垢材のテーブルやチェア:オークやビーチなどの木材は、使い込むほどに色合いや風合いが変化する
- ペーパーコードの座面やリネンのファブリック:肌触りがよく、時間とともに馴染んでいく
- 真鍮や鉄の金具:経年変化によって独特の風合いが生まれ、ヴィンテージのような魅力が増す
「使えば使うほど美しくなる家具」を選ぶことが、サステナブルな暮らしの第一歩です。
3. 修理しながら使い続けられる家具を選ぶ
北欧では、家具が傷んでもすぐに捨てるのではなく、修理しながら使い続けるのが一般的です。
- 座面が張り替えられるチェア
- 天板を削って再仕上げできるテーブル
- パーツ交換ができるキャビネット
「壊れたら捨てる」のではなく、「修理して使い続ける」。
この意識を持つだけで、長く付き合う家具との向き合い方が大きく変わります。
北欧の家具選びを日本の暮らしに取り入れるには?
北欧の広々とした住空間とは異なり、日本の住宅事情では限られたスペースで暮らす方が多いかもしれません。
だからこそ、“少数精鋭“の家具を選ぶことが大切です。
- シンプルなデザインを選ぶ:どんなインテリアにも馴染み、長く愛用できるものを
- 手入れしながら使う意識を持つ:オイル仕上げの木製テーブルなら、定期的にオイルを塗るだけでツヤを保てる
- リペア可能な家具を選ぶ:ペーパーコードの座面や、張り替え可能なソファを選ぶ
家具との付き合い方を変えるだけで、「大切に使う楽しさ」が生まれます。
長く愛せる家具を選ぶということ
家具を選ぶとき、「今気に入ったから買う」だけではなく、「10年、20年後も好きでいられるか?」という視点を持つことで、選び方が変わります。
- 流行に左右されないデザインか?
- 経年変化を楽しめる素材か?
- 修理しながら使い続けられるか?
この3つを意識することで、家具との関係はより深まり、愛着を持って使い続けることができます。
次に家具を選ぶときは、ぜひ「北欧のサステナブルな家具選び」の視点を取り入れてみてください。
暮らしを豊かにし、環境にも優しい選択につながるはずです。