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なぜ日本人は「北欧」に憧れるのか。話題の「ジャパンディ」とは?
家具好きの皆さんは「ジャパンディ」という言葉を耳にしたり、目にしたことがあるのではないかと思います。
今回は、日本人がなぜ北欧に憧れるのかを深堀りし、数年前から注目されている「ジャパンディ」について紐解いていきます。
目次
①「ジャパンディ」とは?
②日本の住まいと特徴
③北欧の環境と住環境への意識
④ジャパンディがなぜ注目されているのか
①「ジャパンディ」とは?
ジャパンティとは、Japan(和)とScandinavian(北欧)を掛け合わせた言葉です。
趣のある和を取り入れたデザインと北欧のミニマリズムが融合した空間で、畳・ふすまなどいわゆる「和室」に使われているものをそのまま使うというよりは、「侘び寂び」や「道(どう)」の精神を取り入れているものも多く見られます。
②日本の住まいと特徴
ジャパンディを紐解く上で、まずは私たちが住む日本の住まいの特徴について整理する必要があります。
日本は気候としては四季があり、昔から「自然を住まいに上手に取り入れること」を好んできました。京都などのお寺や、おじいちゃん・おばあちゃんの家の和室を想像してみてください。
障子はどうでしょうか。心地よく太陽を取り入れることもでき、ふすまを開ければすぐそこにお庭があり、自然を身近に感じることができ、利便性も高いです。
和室によくある掛け軸は何が描いてあるでしょうか。滝や山が描いてある掛け軸がありますが、それは室内にいても自然を感じることができる昔の人々の暮らしの工夫だったのです。
近年、「ミニマリスト」や「断捨離」という言葉も流行していますが、それも私たち日本人の心の原点にあった「WABISABI」や「OMOTENASHI」の精神なのです。
③北欧の環境と住環境への意識
一方北欧の環境といえば、一番の特徴は「気候」です。日本よりも冬は寒く、夏は暑いです。冬が長く、1日の時間の多くを「家」で過ごすことから住まい環境への意識は高く、インテリアに注目するとデザイン性だけでなく、心地よさ、機能性にも長けています。
例えば、①ペーパーコードやスウェーデン人の3人に2人は持っているといわれる②壁付け収納はその特徴がよく現れています。
また「幸福度の高い国」として北欧諸国は知名度があります。
世界幸福度ランキングの2020年データでは、1位フィンランド、2位デンマーク、4位アイスランド、5位ノルウェー、7位スウェーデンと10位以内に北欧の国が多くランクインしています。
幸福度の高さの理由として、「豊かな自然」「医療費が無料」「学費が無料」「労働時間が短い」「家族の優先度が高い」「モノに固執しない」などが挙げられます。
④ジャパンディがなぜ注目されているのか
情報や物が溢れている昨今、無駄を削ぎ落し、自分の心を満たしてくれるものを厳選することは、環境や気持ちを「整える」ためには必要不可欠と言えます。
その中で、日本人が元々身近に触れてきた精神と、心豊かな暮らしの工夫が満載の北欧文化がマッチし、「ジャパンディ」として心が前向きになる「心地よい空間」が注目されているのだと感じています。
この記事が心が豊かになる空間づくりに少しでも参考になれば幸いです。最後に3つ「ジャパンディ」事例をご紹介させていただきます。
【1】畳のスペースとリビングがワンフロアになっている空間。ソファ後ろダイニングテーブルに添えてある北欧生まれの椅子と畳の空間が違和感なく、グラデーションのようにうまく融合している。
【2】窓辺は障子、備え付けソファは藺草(いぐさ)や抹茶を連想させる和の色味を起用。そこにテレビボードに飾られているデンマークブランド”101Copenhagen”の花器に、"Carl Hansen&Son"のYチェアを置くことで「和」の精神をベースに、引き立て役として北欧インテリアが活用されている。
【3】こちらのダイニングチェアも手前は日本のカリモク、奥側がデンマークのメーカーFDB MOBLER。同じダイニングチェアとして温かい雰囲気を一緒に創りあげています。