PP68 Hans J. Wegner (ハンス・J・ウェグナー)
座り心地を追求し続けたウェグナーの作品の一つで“いろいろなスタイルで座れる椅子をデザインしてみよう”と
PPモブラー社のアイナー・ピーターセンとの話し合いの末、1987年に完成したのが「PP68」です。
PP68はもともとウェグナーによってDSBフェリーのためにデザインされていたが、
DSBは最終的にウェグナーの別モデルPP208を採用する事になり
その後も改良に改良を重ねて現在のデザインへと至り、PP58/68の製造を開始しました。
浅く掛けてもよし、または深く腰掛けて背もたれより、ヒップ部分が突き出た状態でもフィットしたりと、
まさに「座り心地」をテーマに掲げるウェグナーならではです。
後脚2本だけで肘掛の機能を持つ笠木(背もたれの板)を支える構造は
それまでのウェグナーの代表作にも多く見られますが、製作にはコストと職人達の腕が必要でした。
この作品では1本の木材を蒸気熱で蒸して曲げることに成功し、さらにはコストの大幅な節約が実現し作品の完成につながりました。
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- デザイナー
Hans J. Wegner (ハンス・ウェグナー)
デンマークのドイツ国境に近い職人の町・トゥナーに生まれ、14歳で家具職人の見習いとしてこの世界に足を踏み入れる。 17歳でに指物師の資格を取得。その後、国立産業研究所で木材についての専門的な研究を重ね、22歳(1936年)からはコペンハーゲン美術工芸学校でデザインの勉強をはじめる。この頃、ボーエ・モーエンセンと出会う。
卒業後の1940年から、アルネ・ヤコブセンとの共同プロジェクトで、オルフス市庁舎の家具のデザインを担当。
1943年に独立し、現在に至るまで500脚以上の椅子をデザイン。
国内外を問わず多くの展示会では数々の賞を受賞し、MoMA(ニューヨーク近代美術館)を始め、多くの公共機関にコレクションされている。
1984年 デンマークのクイーンよりナイトの称号を受ける。
1995年 ウェグナー美術館が故郷トゥナーにオープンする。
代表作に『Yチェア』『ザ・チェア』『チャイニーズチェア』などがある。
