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Stringとグリニッチ

新しいブランドを求めて

私たちグリニッチがStringと出会ったのは、今から10年以上前のことです。オリジナル家具や、代理店を務めるカリモク60に次ぐ、新しいブランドを探していました。

キーワードにしていたのは、「北欧のライフスタイル」「壁を活用するインテリア」。

当時は壁付けの家具はほとんどなく、ただビンテージ家具の中には壁付け収納がいくつかあって、お客様からの反応も良いアイテムでした。

壁を使う収納は当時まだ珍しいことではありましたが、自分たちの提案で新しい文化・環境を作ることができるかもしれない、と「壁を活用するインテリア」の可能性に面白みを感じていました。

そしてある日、ビンテージ家具を仕入れる中でStringと出会いました。

まず見た目が良いな、とピンと来た代表の今田は、自分用に購入して実際に使ってみます。やはり、良い。

魅力を感じたのは、ユニットの拡張性でした。

家具は通常、ライフステージで必要なスタイルが変わります。学生の時、結婚をした時、子供ができた時…テーブルや収納家具を買い換える方が多いかと思います。

しかしStringの場合は、ユニットを増やすことで、必要なスタイルに変えていくことができるのです。一過性ではなく、ずっと永く寄り添う家具であるというところに、他の家具にはない魅力を感じました。

さらに調べてみると、Stringの魅力は多岐に渡りました。

スウェーデン人の3人に2人は持っているという圧倒的シェアを誇るブランドであること、1949年誕生という長い歴史があること、スウェーデンの大手出版社ボニエールが主催した収納家具のコンペ最優秀賞を受賞し製品化されたという、その誕生の背景も魅力的なアイテムであるということ...

それから少しして現行品があることを知り、String本社へのアプローチとリサーチのため、スウェーデンへ足を運びました。

Stringを訪ねてスウェーデンへ

2011年、スウェーデン・マルメにあるStringへ初めての訪問をします。

Stringの共同創設者であるペーター・エーランソンへ、Stringに可能性を感じたこと、代理店になる前にきちんと商品のことを知った上で日本での展開したいことを伝え、まずは販売店として商品を仕入れることから始めました。

帰国後、当時のスタッフみんなでStringを日本でどのように売っていくか、アイデアを出し合いました。

一番のネックとなるのは、壁に穴を開けることへの日本人の抵抗感でした
国内の他のブランドを探しても壁付の収納を提案するところはほとんどなく、参考にできる前例がない状況でした。ただ、ビンテージのStringや壁付収納は販売するとすぐに売れていることから、潜在的な需要があることは確信していました。

ブランドの魅力を伝え、壁に穴を開ける不安を解決することで、日本人にも必ず受け入れられるはず。

試行錯誤し編み出したのが、壁を修復できる穴開け方法と、Stringの取り付けガイドでした。

壁を六角形に切り欠き、めくってから穴を開けることで、取り外した後も壁を綺麗に戻すことができる、という壁を修復できる穴開け方法を提案することで、穴を開ける抵抗感を軽減しました。

またフレームの取り付け位置をガイドするツールをオリジナルで作成し、正確さ・細やかさを重視する日本人でも安心して取り付けられるように工夫しました。


そして何より、「Stringをつけることの喜び」という壁に穴を開ける”マイナス”に勝る”プラス”を伝えることが大切だと考えました。
ビンテージのStringや壁付収納が売れるということは、穴を開ける抵抗感よりも”それを手に入れて暮らしが充実する"という喜びが勝る人がいるからです。

“マイナス”に勝る”プラス”を伝えて、「Stringを手に入れる喜び」に共感してくれる人を増やそう。
webサイトでは販売だけではなく、Stringの歴史やアイテムの魅力を訴求するページ制作にも力を入れました。Stringの”プラス”要素を徹底的に伝える努力を重ね、少しずつ日本での販売実績が作れるようになっていきました。

Stringの代理店に

Stringをもっと日本に広めたい。最初のアプローチから半年も経たないうちに、代理店になりたいことを伝えるため再度スウェーデンを訪れます。

当時まだ東京に店舗はなく、主な拠点が鳥取県であった私たちが日本の代理店を務めることに、ペーターは不安があったようでした。

ペーターから「文化の異なる日本でどのように展開をしていくのか」と意見を求められたところ、私たちはスタッフ間で考えた穴開けのアイデアと取り付けガイドのことを伝えました。

するととても驚いた様子で、実はそのアイデアは、Stringが創設された1949年当時の資料にもあったアイデアだったのです。

今では3人に2人はStringを持っているといわれるスウェーデンでも、やはり壁に穴を開ける抵抗はあったようで、壁を切り欠くアイデアと取り付けをサポートするガイドが、スウェーデン国内でStringが普及するきっかけになったようでした。

Stringを日本に広めたい。それを阻む課題があれば徹底的に解決策を考える。
そうした私たちの熱い想いとアイデアが買われ、2012年4月、Stringの代理店になることができました。

Stringの代理店として、伝えたい想い

私たちがStringを通して伝えたいこと。
一つは、壁を活用する文化を日本に広めたい、ということです。

北欧を含めた世界の国に比べ、日本は壁を使うのが苦手な文化だと感じます。
Stringは壁を彩るだけではなく、壁を"活用"できる画期的なアイテム。壁を収納として使うことができ、しかもデザイン性が高いので、見た目にもすっきり綺麗に納めることができます。

そしてもう一つが、空間に”ゾーン”をつくる楽しさです。

お部屋全体を一度に変えようとすると、お金も時間もかかります。たとえば照明やグリーンを置いて自分の好きなゾーンを空間の中に一つつくるだけでも、そこを見ることで癒されたり、気持ちがポジティブなることもあります。

Stringで使われていない壁を活用することで、大きなお部屋でなくても、自分の心が満たされる”ゾーン”をつくることができます。

そしてゾーンを作ることで、「もっとこうしてみたい」とゾーンが広がり、心地良い空間がどんどん膨らんでいくのも楽しみの一つ。
ユニットを拡張できるStringは、一度取り付けたらお終いではなく、そこから形を自由に変えたり膨らませていくことができます。空間を育てる楽しさを味わうことができるのです。

Stringはただの収納家具ではなく、それがあることで空間、環境、人の気持ちまで変えられる可能性を秘めています。
それはまさに、Life Place(=心が満たされる居場所)をつくるという、私たちがインテリアを通して実現したいことでもあります。

Stringを通して、たくさんの人のLife Placeをつくる喜びを味わっていただきたいと思います。

(広報 岡田智理)

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