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Yチェアの魅力を引き立てる照明選び ─ 北欧インテリアのダイニング照明ガイド
北欧デザインの名作「Yチェア(CH24)」を、より美しく、心地よく見るために必要なものとして「照明」がキーポイントです。 特にダイニング空間では、椅子と照明の相性が空間全体の印象を左右します。 正しい照明を選ぶことで、Yチェアの曲線美や木の質感が際立って、北欧インテリアの本質である「美しさと機能性の調和」が実現します。
この記事では、Yチェアに合う照明の選び方や配置のコツを、照明の高さ・色温度・デザインなど多角的な視点からご紹介し、理想的なダイニング空間づくりのヒントをお届けします。
光がYチェアの魅力を引き立たせる理由
Yチェアは1950年、ハンス・J・ウェグナーによってデザインされ、70年以上経った今も世界中で愛される名作です。滑らかな曲線と立体感をもつフォルムは、光によってその存在感をより一層感じることができます。
特に、柔らかな陰影を生む斜め上からの光は、Y字型の瞬間やペーパーコードの繊細な編み目に印象を与え、無垢材の木目を美しく際立たせます。
北欧の照明哲学とYチェアの相性
北欧デザインでは、光の「量」よりも「質」を重視します。人の気分や過ごし方に寄り添う「人間中心の照明環境」が基本です。Yチェアも、とても柔らかな光のもとで美しく機能するように設計されています。
そのため、Yチェアと照明を大事にする際には、控えめな明るさで選ぶのではなく、光の質感や雰囲気、空間全体との調和を考慮することが大切です。
ダイニングに最適な照明の高さと光の色温度
Yチェアをダイニングに置く場合、ペンダントライトの下端をテーブル天板上から70cm前後の高さに設定するのが理想的です。
また、色温度は2700K〜3000K程度の電球色または温白色が最適。 木材の温かみを引き出し、落ち着いた雰囲気を作ります。 オークやアッシュにはやや黄みの強い2700K、ウォールナットやチーク材には少し白みを感じる3000Kがよく合います。
明るさは8畳程度のダイニングであれば100W(800〜1000ルーメン)が目安。調光機能付きの照明を選ぶと、時間帯や用途に応じて明るさを調整でき便利です。
多目的に使うダイニングには「多灯分散」が理想
ダイニングテーブルは、食事だけでなく、子どもの勉強やPC作業、来客時の談笑スペースとしても使われます。Yチェアを置くダイニングでは、一応多用途に対応できる「多灯分散照明」が効果的です。
ペンダントライトを主照明としつつ、デスクライト、フロアライトやダウンライトなどを付けてれば、シーンごとに異なる明るさや雰囲気を演出できます。 北欧インテリアでもこのスタイルは伝統的で、空間にリズムと印象をもたらします。
Yチェアと相性の良いペンダントライト5選
1.ルイスポールセン / PH5
ポール・ヘニングセンによる不朽の名作。 3枚のシェードが眩しさを抑えつつ、美しい陰影を作ります。 オーク材のYチェアにはクラシックホワイト、ブラックにはモダンカラーが好相性ですが、これにはこれという決まりはないので、そこは空間の雰囲気とお好みに合わせて。
2. アルテック / A330S GOLDEN BELL
真鍮製の小さなペンダントで、小ぶりながらも1灯使いでも存在感があります。黒やダークカラーのYチェアと違って、クラシックで上質な空間に。
3. ムート / アンビット
アルミ製のミニマルなフォルムが特徴。Yチェアの柔らかな曲線と好対照で、洗練されたモダンな北欧スタイルに仕上がります。
4. &トラディション / フラワーポット VP1
カラフルでポップな印象のデザイン。空間にアクセントを加えたい方におすすめ。ナチュラルなYチェアと合わせて、素材の素朴さが引き立ちます。
5. レ・クリント / CLASSIC クラシック ペンダント モデル1-30
折り紙からインスピレーションされデザインされたシェードが、日本でも愛されているYチェアのペーパーコードの和テイストとのバランスもよく、やさしい光が広がり、北欧らしい温もりのある雰囲気に。
照明配置の工夫で空間にリズムを
ダイニングにYチェアを複数並べる場合、テーブルサイズに合わせてペンダントの個数や配置を調整しましょう。 4人掛けのテーブルなら直径40〜50cmの照明1灯、6人掛けなら小ぶりな照明を2〜3灯並べるとバランスよく仕上がります。
丸テーブルの場合は中心に1灯。照明サイズはテーブル直径の半分〜2/3が理想です。
また、隣接するリビングやキッチンとの照明の「つながり」も意識しましょう。同じ色の温度、似た素材や色の照明を使うことで、LDK全体に統一感が生まれます。
まとめ:Yチェアと照明でつくる、心地よいダイニング
Yチェアの魅力を引き出すには、照明との関係が非常に重要です。光と影がつくる陰影、木の質感を心に留める色の温度、そして照明器具の素晴らしいデザイン——これらすべてが空間の質を高めてくれます。
ぜひ、Yチェアの立ちまいにふさわしい照明を選んで、自分だけの美しく心地よいダイニング空間をつくってみてください。