- 家具選びのポイント
ラウンドダイニングテーブル「Svendborg」が選ばれる理由
人はなぜ、円形のテーブルを求めるのでしょうか。
私はグリニッチに勤めて5年目になりますが、「何となく丸い方が良い」「見た目が好き」など、直感的な意見を多く伺ってきました。正直なところ、最初は知識も浅く「そうだよな~見た目も可愛いし!」くらいにしか思っていませんでした。反省です。
沢山の経験と学びから、今はこんな風に思います。家具選びは感覚も大切です。パートナーになる相手ですから、人や芸術品と同じく“ただ惹かれる”、という感性も大切にしてほしい。だけど「なぜそれが良いのか」理解して選ぶことで、その後のあなたの暮らしはまるで変わります。
キーワードは「斜め45度」
私個人として、学生時代に学んだホスピタリティの講義、社会人になってからの接客業の訓練、いずれでも学んだ心理学のお話です。
人にはパーソナルスペースと呼ばれる「他者が自分に近づくことを許せる範囲」があります。たとえ親しい相手でも、急に近くで話されたらびっくりしませんか?一般的に対面での許容できるのは45cm~120cm。相手の表情が読み取れる程度の距離です。
ダイニングテーブルという場所は、図らずも相手のパーソナルスペースに入る状況。家族でも友人でも、自分以外の誰かがそこにいることで無意識に緊張を感じてしまいます。
ただ、同じ距離でもどの角度から話しかけるか、で相手が抱く印象はガラッと変わります!相手から見て45度を基準とした斜め前は「情の空間」と呼ばれています。緊張感がほぐれ、親近感を覚えやすい…つまり会話に最も適した位置!
もうお気づきかもしれませんが、円形のテーブルは、この斜め45度という角度を自然と取ることが出来ます。お互いに緊張せず、親近感をもって話せる。リラックスして会話が弾む、もっと話したいと思う。
だから人は、円形のテーブルを自然と求めるのではないでしょうか。食事をしながら、もっと深く、親しみをもって話すために。
円形という有機的なフォルムがもたらす癒し
「なんとなく丸い方が好き」にも、自分では気づかない理由があります。
デザインの世界ではことあるごとに「無機的」「有機的」という言葉を使います。定義は様々ですが、「有機的なデザイン」というのは、自然界にあるような造形や曲線などを取り入れたデザインのこと。
帰り道の街路樹や近所の公園、町中に広がる自然を眺めてみてください。木も葉っぱも、電線にとまっている鳥も、みんな直線ではないですよね。不規則に曲がっていたり、丸みをおびていたり。そしてそんな自然をみて癒された経験は、皆さんきっとあるんじゃないかと思います。
円というのは、自然の風景に溶け込むような優しい形。だから私たちに視覚的な心地よさを与えてくれます。その答えが「なんとなく丸い方が好き」なんです。
無垢材・一本脚の「Svendborg(スベンボー)」
Svendborg(スベンボー)という名前は、デンマークの南西部にある町の名前に由来します。2020年の夏に発表して以降、沢山のお客様のパートナーとなっています。
φ1200×H730mmの無垢材のダイニングテーブル。スペックだけ見れば、他でも買えそうです。実際に近いイメージでオーダーなんかもできるでしょう。
けれど、私はこのテーブルをお店に迎え入れたとき、ハッとさせられました。「絶対に他では作れない」そう思ったからです。グリニッチの職人の技術と使う人への思いが細部にまで宿っている、そんなダイニングテーブルがこのスベンボーです。
椅子の数も組み合わせもあなたらしく自由に!
一本脚のラウンドテーブル、この特性の良いところは、チェアを自由に配置できるところ。それも、シンプルなデザインだから、合わせるチェアを選ばない。ビンテージやメーカー品、アームあり・なし、カラーもの、色々ミックスしても不思議とぴたっとハマる。そうなると、チェア選びが楽しい。嬉しい相乗効果です。
最近はダイニングセットで揃える傾向は弱まり、より自分の好きなものや個性を求めて、1脚ずつ違うチェアを買う方が多いです。Yチェアに座りたいご主人、ビンテージが好きな奥さん、パステルカラーが好きなお子さん…。好きなものは一人ずつ違うから、せっかくなら自分が一番好きなものと過ごして欲しい。例えチェアがばらばらでも、このテーブルがひとつにまとめてくれます。
φ1200mmと言うと「余裕をもって4脚」というイメージの写真が沢山出てきますが、実はもっと座れます。
5脚並べてもスペースに余裕があります
代官山のスタッフはミーティングや社内研修をするとき、決まってこのスベンボーに集まります。多い時で6人集まりますが、それぞれが好きな椅子を好きなように並べています。体格や身長もそれぞれ。距離は近いけど、狭くない。そんな距離感です。
反対に、2人で使ったって良い。向かい合って仕事をしても良い。食べることが好きな2人なら、手作りや持ち寄りのごちそうを並べて、語り合いながら一日の疲れを労い合う。そんな風に過ごすのはどうでしょう。
壁付けでも使えるラウンドテーブル
円形を検討する際にネックとなるのが、設置スペースの問題。
置きたい。頑張れば…置けなくはない。でも狭くなりそう。壁付けでも椅子置けるかな…。そんなこんなで葛藤される方もちらほら。四方に椅子を引くわけですから、結果的に四角のテーブルよりスペースを取るのは当然とも言えます。
ただ、壁付けでも4脚置けるのがスベンボーです。壁付けを想定して撮影してみましたが、どうでしょう。幅50cm程の椅子を4脚並べてもこんな感じ。ぎゅうぎゅうではなく余白もあります。実際に、普段は壁付けで使う予定、とお客様から伺ったことも。
ちなみにオンラインストアでは規格サイズのみのご紹介ですが、φ1100mmのセミオーダーも可能です。
細部に宿る職人の技術
一本脚の円形ダイニングテーブルを無垢材で作るというのは、沢山の障壁があります。無垢材ですから、湿度や温度など環境によって影響を受けます。割れが起こったり反ったり、扱いが難しい。天板が大きければそれだけ支えが必要となり、脚の構造も様々工夫しなければいけません。
スベンボーの脚の構造には、無垢材家具を扱ってきたプロとして感心せざるを得ません。無駄がなく精密で正確、それでいて美しい。
美しく洗練されたライン
製作に用いられているのは、ほぞ接ぎという木工の家具づくりには欠かせない構造です。簡単に言うと、凹凸を組み合わせ、接着剤で固めるというシンプルな方法。それゆえ、職人の技術が顕著に表れる技法でもあります。
十字の一本脚は、一寸の狂いもなく綺麗にはまっています。もちろん部材が細部まで丁寧に作られていることもありますが、表面上は見えない部分にも秘密が隠れています。ほぞ接ぎにも様々種類があり、適材適所で細かく使い分けているのです。
また、脚先は安全面を考慮し、角を丸く削るR加工を採用。そして、床にべたづきにならないよう施された脚下の余白。水平を捉えられるように付けたアジャスター。似たようなデザインでも、ここまで実用性と美しさ、使う人への配慮を感じられる家具を探すのは、きっと難しいでしょう。
毎日過ごす場所だからこそ、この繊細さと心遣いが嬉しい。来店されたお客様が吸い込まれるようにこのテーブルに集まるのは、これだけの理由が揃っているからだと思います。
ご来店について
代官山店では引き続き、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、ご予約優先制で営業しております。予約なしでもご入店頂けますが、来店日時がお決まりの方はこちらよりご予約頂けますと幸いです。
新しく始まった、金利・手数料無料の『最大60回分割払い』もご活用ください。店内暖かくしてお待ちしております。
グリニッチ代官山 木村