- 北欧の暮らしのアイデア
【デンマーク留学記】世界一幸せな国でこれからの暮らし・生き方のヒントを学んできました
こんにちは。ウェブストアスタッフの出石(いずいし)です。
突然ではありますが、この度会社の研修の一環で北欧デンマークの教育機関「フォルケホイスコーレ」に留学することが決まりました。実はこの記事を書いている今は、既に留学を終え日本に帰ってきたところです。
「世界一幸せな国」、「デザイン大国」として知られるデンマーク。
また、「ヒュッゲ」という言葉が世界的に注目され、豊かな国というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
今回、僕の2ヶ月にわたるデンマークでの生活から学んだこと・気づいたことを通して、これからの暮らし方・生き方のヒントを共有できればと思います。
デンマークで生まれた独自の教育システム フォルケホイスコーレ
初回となる今回は僕が留学することになった
「フォルケホイスコーレ」という教育制度についてご紹介します。
この言葉を初めて耳にされる方も多いのではないかと思います。
正直、僕は社内でこの留学の話が出るまでは聞いたことがありませんでした。
フォルケホイスコーレ(英:folk high school)とはデンマークで生まれた北欧独自の教育機関で次のような特徴があります。
・全寮制の学校
・民主主義の精神を育てる
・入学や卒業にあたって試験がない
・単位や成績の制度はなく、学位は取れない
・国籍や政治、宗教観を問わず17歳半(または18歳)以上であれば入学できる
・授業料や生活費は学生が一部負担
・外国の学生にも政府からの補助金が降りる
北欧インテリアを取り扱っているのでもともと興味を持っていたデンマーク。人々の暮らし方・考え方はもちろんですが、この歳で他の国の学生と何か新しいことを学べるのだと思うと「なんか楽しそう」という当初の気持ちは次第に「行ってみたい」へと変わっていきました。
対話と経験で生き甲斐を見つける 散歩も焚き火も学びの場
フォルケホイスコーレはデンマークの近代教育の父と称される「NFS・グルントヴィ」という牧師が提唱した理念を反映していて、
ただ知識を教えるというよりは、社会の一人として自分で考え行動するための生きたスキルを身につけさせることが重視されています。
現在ではデンマーク国内に約70校ほどあり、それぞれ福祉・芸術・スポーツなど、ある分野に特化した独自のプログラムを設置しています。
共通して言えるのが学生の主体性・協調性が重要視されていることで、僕が通う国際コースでは「対話(dialogue)」が一つのキーワードになっていました。
確かに、クラスで座学はほとんど行われず、あるテーマに沿った意見交換や、自然の中での活動、歌や絵画のクラスなど、自由で創造性に溢れる授業が多いのが印象的でした。
自分の意見や考えも否定されない、日々をどのように過ごすかもすべて自分次第というホイスコーレでの生活。自由であるからこそ生まれる喜びや葛藤を通して、目標や生きがいを見つける場としての役割も担っているように感じました。
好奇心をもたらす多様な環境
僕のホイスコーレは10代から20代の学生がほとんどで、自分の進路を考えるために大学のギャップイヤーなどを利用する人、仕事を辞めワーキング・ホリデーとして来ている人、他のホイスコーレを卒業した後に移ってくる人などが通っていました。
デンマーク人以外の学生に向けて英語で開講されているコースもあり、今期は欧米やアジアなど計7ヵ国の学生で構成されていました。授業以外でも、学校のことを案内してくれるパートナー(=バディ)やルームメイトの存在も他国の学生との交流の場になります。
ちなみに、デンマークの公用語はデンマーク語ですが、デンマーク人は小学校から英語を習うので僕たち外国人には英語で話しかけてくれます。
僕の学校ではこの多様な環境を活かし、自分たちの国の料理や文化を紹介するイベントも多く開かれていました。日本食パーティーをしたときには唐揚げや炊き込みご飯が大好評でした!
このように年齢だけでなくキャリアや目的も多岐にわたるホイスコーレでの交流は、人の考えや文化を理解することの難しさ以上に、好奇心と楽しさをもたらしてくれます。
僕は2019年の春季コースに途中から参加したのですが、学生も先生もみんな社交的で初日から積極的に話しかけてくれました。
(誰でも入学できるとはいえ)社会人として少し引け目を感じていた僕にとって、彼らの気さくさは大きな助けになり、これからの“学生“生活に期待が膨らみました。
今後も随時学校生活やデンマークで感じたこと更新していく予定です。どうぞお楽しみに。