ペンダントライトでつくる北欧スタイルの照明コーディネート術
公開日: 2025年08月26日 (更新日: 2025年08月26日)
照明は、空間の“体温”をつくる
インテリアを考えるとき、「照明」は最後に選ぶものだと思われがちです。
でも、本当はその逆かもしれません。
あかりひとつで、空間の表情は大きく変わります。
まるでその場の「温度」や「気配」までもが変わるように、
照明は“暮らしの余白”を、やさしく満たしてくれる存在です。
なかでもペンダントライトは、
ただの明かりではなく、「そこにいる時間の質」を支える道具。
北欧の人々が大切にしている「ヒュッゲ(Hygge)」という価値観。
それは、日常の中の心地よい時間を見つめ直す文化でもあります。
本記事では、ヒュッゲの視点から「ペンダントライトでつくる北欧照明の世界」をご紹介します。

なぜ北欧では、ペンダントライトが選ばれるのか?
北欧の冬は長く、暗く、外の光が乏しい日々が続きます。
そんな日常のなかで、人々は室内の光を「心を灯すもの」として育ててきました。
部屋全体を均一に明るくするのではなく、
必要なところに、必要なぶんだけ、あたたかい光を落とす。
ペンダントライトは、その思想にぴったりと寄り添うアイテムです。
たとえば食卓の上、リビングの一角、ベッドサイドなど──
「その場にふさわしい灯り」を考えることは、
その場で過ごす人の時間を大切にすることでもあるのです。
グリニッチが考える「北欧照明」の本質とは
グリニッチは、家具を“モノ”としてではなく、「居場所をつくるための道具」と捉えています。
照明も同じく、空間の主役ではなく、“ひとときを支える存在”。
私たちが提案する北欧スタイルの照明は、
ただオシャレな見た目を選ぶのではなく、
「その灯りのもとで、どんな時間を過ごしたいか?」から逆算する照明です。
・家族と食卓を囲むとき
・ひとりで読書を楽しむとき
・ゆったりとお茶を飲む夕方の時間
そのすべてに、「適した灯りのあり方」があります。

ペンダントライト選びで大切にしたい3つのこと
①光の“落ち方”を見る
照明器具を選ぶ際、ワット数や明るさだけでなく、「光の広がり方」を観察してみてください。
ダイニングには、真下に光が落ちるタイプ。
リビングには、ふわりと拡散するもの。
寝室なら、柔らかく包み込むような間接光を──。
グリニッチでは、実際の家具にあてた時の光の“質感”も大切にしています。
②素材で「時間の質」が変わる
陶器・真鍮・木・ガラス。
素材の違いは、灯りの表情に奥行きを与えます。
たとえば陶器のシェードは、あたたかい反射光をつくり、
真鍮は時間とともに味わいを増しながら、空間に静かなアクセントを加えます。
③高さと距離感で“空気”を整える
ペンダントライトの魅力は、「空間の重心」を調整できること。
テーブルから約60cm前後が目安ですが、天井の高さやテーブルの材質によって微調整を。
視線と光が交わるポイントに、居心地の良さが生まれます。

暮らしのシーン別|北欧スタイル照明の実例集
ダイニングテーブル上の理想的な高さと複数灯の配置バランス
ダイニングスペースは、北欧インテリアにおいて特に照明計画が重視される場所です。食事をするための機能的な明るさと、団らんを楽しむための雰囲気づくりの両立が求められます。
ダイニングテーブル上のペンダントライトの理想的な高さは、テーブル面から55~75cmが基本とされています。これは食事をする人の視線を遮らず、かつテーブル面を十分に照らす高さです。テーブルが大きい場合は若干高めに、小さい場合は低めに調整するとバランスが良くなります。
北欧スタイルの特徴的な手法として、複数のペンダントライトを等間隔に並べるコーディネートがあります。その際のポイントは以下の3点です:
①サイズと数のバランス
小型のペンダントなら3~5灯、中~大型なら1~3灯が目安です。テーブルの幅に対して、ペンダントライトの総幅が2/3程度になるよう配置すると安定感があります。
②高さのバリエーション
同じペンダントでも、意図的に高さを変えて吊るすことで、リズム感のある表情が生まれます。特に北欧ブランドのペンダントライトは、この「不揃いの整列」を意識したデザインが多いのが特徴です。
③光の重なり
複数灯を配置する際は、光の届く範囲を考慮します。各ペンダントの光が少し重なるように配置することで、テーブル上に暗い部分が生じません。
長方形のテーブルなら3灯を等間隔に直線配置、円形や正方形のテーブルなら三角形や四角形に配置するコーディネートが一般的です。また、同一デザインでサイズの異なるペンダントを組み合わせる手法もよく用いるテクニックです。

リビングのメイン照明としてのペンダントライト配置テクニック
リビングは家族が集まり、多様な活動が行われる多機能スペースです。そのため、北欧スタイルのリビング照明計画では、ペンダントライトを中心としながらも、複数の光源を組み合わせる「レイヤード照明」が基本となります。
①サイズと高さ
リビングのメイン照明としてのペンダントライト選びで最も重要なのは、適切なサイズと高さです。北欧インテリアでは、部屋の中心よりもソファなどくつろぎのエリア上に配置することが多く、床からの高さは一般的に2.1~2.4mが目安となります。低すぎると圧迫感を、高すぎると存在感が薄れるため、空間のスケールに合わせた調整が必要です。
②デザイン
デザイン面では、光を拡散させるタイプのペンダントが適しています。特に、レ・クリントのようなプリーツシェードや、ルイスポールセンのPHシリーズのような多層構造のシェードは、直接光を遮りながらも空間全体を明るく保つ理想的な選択肢です。
コーディネート例としては、白を基調とした壁面に、オーク材の家具と組み合わせたペーパーシェードのペンダントが定番です。また、近年ではソファ横に配置したフロアランプとペンダントライトを同一デザインシリーズで揃える手法も人気を集めています。これにより視覚的な統一感が生まれ、洗練された印象になります。
実際の北欧の住宅では、天井が高い場合、あえて長いコードでペンダントを低めに吊るすスタイルも特徴的です。これにより、広い空間の中に視覚的なアンカーポイントが生まれ、居心地の良い空間の区切りを作ることができます。

寝室で作る落ち着いた照明環境と北欧テイスト
寝室の照明計画は、リラクゼーションと機能性のバランスが特に重要です。北欧スタイルの寝室では、ペンダントライトを中心とした「心地よい薄明かり」の演出が特徴的です。
寝室のペンダントライト選びでは、光の質と拡散性が最重要ポイントとなります。直接光が目に入らないよう、下方向だけでなく周囲にも光が広がるデザインが理想的です。特に、ファブリック素材やペーパー素材、フロストガラスなど、光を柔らかく拡散させる素材のペンダントが適しています。
①配置
配置については、ベッドの真上ではなく、少しずらした位置に設置するのが北欧流です。これにより、寝ている際に直接光が目に入ることを避けつつ、空間全体を均一に照らすことができます。天井が高い場合は、長いコードで吊るして空間に変化をつける手法も効果的です。
②色温度
光の色温度は、2700K~3000Kの電球色がリラックス効果を高めます。また、調光機能付きのペンダントライトを選ぶと、就寝前の読書時には明るく、くつろぎ時には暗めにするなど、用途に応じた調整が可能になります。
北欧テイストを出すコーディネート例としては、白い壁に木製ベッドフレーム、そして淡いカラーのテキスタイルと組み合わせたシンプルなデザインのペンダントライトが定番です。特に、SEKKEIのような和紙シェードのペンダントや、VITAのようなフェザーモチーフのペンダントは、柔らかな光の表情と北欧らしい素材感で人気を集めています。

まとめ|もっと自分らしく、あかりと暮らすために
グリニッチでは、ペンダントライトを“家具”と同じ視点で考えています。
なぜなら、どんなに素敵なテーブルや椅子があっても、
そこにふさわしい灯りがなければ、本当の意味で心地よい居場所にはならないからです。
逆に言えば、照明ひとつで「空間の在り方」は驚くほど変わります。
・北欧らしい光の使い方を取り入れたい方
・空間を整えたいけど、何から始めればいいか分からない方
・家具に合わせた照明を探している方
まずはペンダントライトから、“暮らしの体温”を整えることから始めてみませんか?
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