- 家具選びのポイント
照明スタイリングの知識・テクニック
家具のレイアウトを変えたり、壁の色を変えるのと同じように、照明を活用することでお部屋の雰囲気は大きく変えることができます。光をどう配置して、どこに当てるのか。光の強弱をどのように組み合わせるか。照明スタイリングの知識とテクニックを、グリニッチでも販売中の書籍「北欧式インテリア・スタイリングの法則」を参考にご紹介します。
5〜7の法則
光源の数について、基本的には各部屋に少なくとも5〜7個の光源が必要とされています。各部屋の照明の数はいくつあるか、また今ある照明は配置された部屋・場所で目的通りに機能しているかを確認してみましょう。十分な数の照明があるだけでなく、以下のカテゴリーのものが少なくとも1個ずつあるのが理想とされています。
①一般照明:部屋全体に基本光を広げる照明器具
②作業照明/機能照明:アームチェアやソファの読書灯、キッチンカウンターやデスクの照明
③ポイント照明:アクセント照明やスポットライト、額をかけた壁、美術品、本棚を照らす照明
④ムードライト/装飾照明:雰囲気づくりのためのランプ、調光可能な小型ランプ、チェーンライト、ランタンやオイルランプなどの炎を光源にした照明
まぶしくない照明の寸法
適切な照明スタイリングには、光源の数だけでなくランプの位置も大切です。特にダイニングテーブルの上の照明は、あまり上すぎると座った時に眩しくて不快に感じます。逆に低すぎると、立ち上がる際にシェードに頭をぶつける可能性があります。
ダイニングテーブル上の照明は、テーブルトップから55cm〜65cm上になるよう設定します(ランプシェード内の光源の位置を基準にします)。その高さならテーブル全体が照らされ、座っている人も眩しさを感じず、ランプシェードに視界を妨げられることもありません。キッチンのアイランドやカウンターも考え方は同様です。
ランプをいくつか並べて吊るす場合は、ランプ間の距離はランプシェードの幅の約1.5倍を目安に設置します。
リビングなどリラックスする空間では、「眩しくない」というポイントが特に重要です。ソファやアームチェアに座った時に眩しさや見えにくさがないように、座った時の目の高さや角度を考慮して、光の向き、ウォールランプの高さやテーブルランプの位置を決めるようにします。
知っておくと便利な照明用語
ワット(W)
消費電力を示す単位。白熱電球を利用した照明器具の場合は、ワット数が明るさの目安になります。
部屋の広さ/照明のW数
4.5畳/60〜180W
6畳/100〜240W
8畳/220〜320W
10畳/300〜400W
なおLED・LED電球の場合は、白熱電球よりも低い消費電力で同等の明るさを実現することができるので、明るさは次のルーメン(lm)で表します。
ルーメン(lm)
光源が放つ光の量の単位。数値が大きいほど強い光、小さいほど弱い光を表します。LED電球を取り付ける場合は、ルーメンを基準に選びます。LED照明に対応した明るさを選ぶときは、「部屋の畳数×400lm」で計算します(例えば、部屋の広さが6畳の場合は、2400lmの明るさが必要)。
ケルビン(K)
光源の色温度の単位。K(ケルビン)値が低いと赤く、高くなると白、更に高くなると青白くなります。一般的に光の色は5種類あり、「電球色(2600K~3250K)」「温白色(3250K~3800K)」「白色(3800K~4500K)」「昼白色(4600~5500K)」、「昼光色(5700K~7100K)」があります。
電球色:橙色に近く、温かみのある色。5種類の中では明るさは抑えられており、リラックスする空間等に向いています。
温白色:白色に比べ自然に馴染む黄色い色。色温度の低い電球色に比べると白さがあるので、明るく、落ち着いた雰囲気になります。
白色:やや黄色みがかった白色。真っ白では明るすぎる方や、勉強や読書、作業等の空間におすすめです。
昼白色:白に近い白色。明るくはっきり見たい空間に向いています。
昼光色:少し青みのある白色。晴れた日の正午の太陽光に近い色で、集中したい作業や、明るくしたい空間に向いています。
Ra値
演色性の単位。0から100の間で、数値が大きいほど自然な色合いに見え、低いほど色ずれが大きくなります。住宅・事務所・店舗など一般の屋内照明用途では、平均演色評価数(Ra)80以上90未満が好ましいとされています。
広報 岡田